勝利の秘訣

ここでは、勝利の秘訣についてお話します。

コミュニティを運営していて、いろんな人に会って思うことですが、相場に勝つ人は頭が良い人(=理解力が高い)と思われがちですが、そうでもありません。だからと言って、性格(=繊細や素直など)とも関連があると言い切れません。そう思いながら、色々な本を読んでいた時です。マーク・ダグラス の「規律とトレーダー」を読んだ時に、「常識を捨てろ! 手法や戦略よりも規律と心を磨け!」という言葉に出会いました。この「規律」(=人の行為の規準として定めたもの)という言葉が一番しっくりきました。

規律とトレーダー」 が好きでよく読んでいます。良い文章が多くとっても参考になると思いますので、引用させて頂きます。まずは、次の引用を読んでください。

第6章成功に至る道 (= マーク・ダグラス の「規律とトレーダー」 から引用)

自己規律とは目標達成に向けて、学ぶべきことに意識を集中し続けるための心のテクニックである。外部の世界で効果的に行動する手段を持たなかったり、自分の方法が目標達成に役立たないときもあるだろう。そうしたときに必要とされるのが外部世界への適応、すなわち外部の世界と交流する方法を変えることである。自らの行動と外部の世界を経験する方法を変えるには、心の視点を変えなければならない。そのためには外部世界の情報の認識を大きく左右する心の構成要素を変える必要がある。

秘訣1 「早朝の売買」

東京市場が開く早朝(8:45から10:00頃まで)は、売買しません。

理由①

この時間帯の先物の動きは、上下が激しくてついていけません。”ついていけない”というのは、ローソク足を読みながら売買することが出来ないという意味です。反転する候補は、わかっているつもりですが、過去に見落としがあった時に完全に負けてしまいました。

理由②

大きい利幅を取ることができません。通常、私は1日2回前後の売買しか行いません。その代わり、1回に150円から200円の利幅を取りに行くことが多いです。それと同じ感覚で、売買することができません。精々、50円前後の利幅を取るのが精一杯です。

理由③

この時間帯の売買は、勝率が低く負けた結果、メンタルが低下することが多いです。このメンタルの低下がその後の売買に影響します。簡単に取れるような売買も怖くなってしまいパスすることが発生します。

このように考えると勝率が高い売買に枚数を増やした方が効率が良いと判断しています。

秘訣2 「売買の基本は買いです」

売買の基本は買いです。 買いにこだわる理由を説明します。

上の日経CME5時間足チャートを参照してください。

理由①

買い(上昇:ピンクの線)は、ゆっくり上昇しています。それに引き換え売り(下降:黄緑色の線)は、短期間で下降しています。この違いは具体的な売買の場面では、どうなるでしょうか?

ゆっくり上昇するということは、具体的には、”押し目を作りながら”上昇していきます。つまり買う場合はサイン(タイミング)が、はっきりわかります。また、押し目を何度も作りますので、その度にチャンスがまわってきます。反対に売り(下降)は、短期間に下降します。この時、大抵明確なサイン(押し目)を出さずに下降を開始します。つまり、サインが無い状態で売らなければなりません。また、乗り遅れると、下降は短期間なので、全く取れずに終わることもあります。

理由②

それなら、両方やれば・・・と言われますが、両方やるのはかなり難しいです。

私は、両方やる事を「ボール2つを使って、バスケットボールをやるのと同じ」と例えます。バスケットボールは、ボールが1つだから、それを追いかけて点数を取れるわけです。ボールが2つある場合を想定してみてください。

まず初めに考えることは、2つのボールのどちらのボールを取りに行くのか?です。自分から近いボール、ゴールポストに近いボール、どちらにしますか?(この時、2つのボールは当然動いています)仮に、どちらかに決めたとしましょう。決めたボールを相手から奪い取った時に、もう1つのボールが自分にパスされたら、どうします。

売りと買いを両方やる人の頭の中では、これと同じようなことが発生します。

このような状況を防ぐ方法を考えてみましょう。もう一度、 日経CME5時間足チャート を見てください。このチャートのピンクの線の部分(相場が上昇する場面)で、売りを考える必要はあるでしょうか? 反対に黄緑色の線の部分(相場が下降する場面)で、買いを考える必要はあるでしょうか。そうです。少なくとも今日は相場背景から、「○○○で行こう」と決められると思います。

2つのボールでバスケットボールをするなら、今日は全員で2つのボールのうち、このボール(2つのボールが色が異なるなどの方法で区別できるものとして)を追うと決めてしまった方が、効率が上がると思います。

この2つの理由で、「売買の基本は買い」にしています。

 

秘訣3 「仲間を作る」

コミュニティを運営しているので、ツイッターのDMなどで質問を受けることが多いです。その中でも気になる質問が以下の3つです。

・なぜ日経先物ミニを売買してるのにラージのチャートを見ているのですか?

・●●証券会社と××証券会社のチャートが違うのはなぜですか?

・限月、SQ日って何ですか?

当然質問を受けてるので、説明させて頂きますが、この時私は、「きっと一人で孤独にトレードをしているんだろ・・・まるで、(10年以上も前の)自分と同じだ」と思ってしまいます。

トレードは、個人でやるものですが、先生または先輩、仲間がいた方が絶対頑張れますし、上達が早いと思います。

特にネットで検索しても出てこない情報(質問の例では、 ●●証券会社と××証券会社のチャート の違い)は、だれかに教えてもらわないとなかなか理解できません。もう少し言うと「理解するチャンス」がまわって来ないと言った方が正確かもしれません。この理解するきっかけが来るまで、当然ですが、負けることが多いでしょう。つまり、他の人より、上達するのに「時間」と「お金」が掛かります。

また、仲間がいると励まし合ったりすることもできるし、愚痴をこぼす事も出来ます。私は、このようなことを繰り返しながらトレードは上達すると思っています。

というより、私がそうでした。

秘訣4 「相場に合わせる」

これ一番難しいですね。

私(相場を監視することができる時間が長い)もそうですが、パソコンの前に座っていると、売買したくなります。いわゆる、ポチポチ病です。しかし、相場を監視する時間が短い人(昼間働いている方)も、パソコンの前に座った時が、チャンスと思って売買しているのを見ます。

そうです。相場を監視する時間が長くても、短くても、売買したくなるのです。

この原因を考えたことはありますか。

はっきり言って、相場背景に関係なく売買したくなるのです。これって、第三者から見ていると「売買する人に合わせて、相場が動いてくれることを期待して、売買しているように見えます」

おかしいですよね。日経先物が、売買する人に合わせて動く事なんてありません。

当然のことですが、相場に合わせて、売買しないと勝てません。

では、「どうしたら、相場に合わせて売買できるでしょうか?」

私は、相場分析と売買の環境を完全に分けています。

具体的に言うと、私の場合、相場分析は1日5回ぐらい行っています。この時、売買する環境(証券会社のソフト)は用意しません。相場分析用のチャートしか利用しません。例えばですが、朝一番(8時頃)で相場分析を行ったら、相場分析用のチャートにアラートを数か所仕掛けます。次の相場分析を行うのは、12時頃です。この間にアラートが鳴った場合は、チャートを見て再度相場分析を行います。場合によっては、売買することもあります。どちらにしても、アラートが鳴るまで、証券会社のソフトは動かしません。

常にこの繰り返しです。相場分析は慣れれば1日5回やれば十分です。

ポジションを取った後は、利食い幅は事前に想定していますので、そこで利確して終了です。

環境としては、パソコン2台とスマホを利用していますが、パソコンの1台とスマホを相場分析用、もう1台のパソコンを売買専用にしています。

秘訣5 「毎月平均どれぐらい稼げますか?」

これもよく質問されることです。

私「毎月の平均ですが・・・?」  答えに困ります。

この質問をしてくる人は、「トレードは、毎日チャンスが回ってきて、毎月安定して稼げるものだ」と思っているようです。もっと具体的に言うと、(以下の金額は例です)毎日平均1万円、それが1カ月=20日間だから、20万円と考えているようです。

でも、このようなことは絶対に起きません。

前にも言いましたが、私は主に買いを行います。よって、上昇相場では大きく稼ぐことができますが、下降相場になると、小さな利幅の売買を繰り返すようになります。場合によっては、下降相場ではトレードを止めて見ているだけの日もかなり発生します。

私の場合は、1ヶ月の間で、何回上昇相場が発生したかによって、儲けは大きく異なります。

つまり、平均的な1日もありませんし、平均的な1ヶ月もありません。

今回、この話題を取り上げたのは、このことを理解している人は勝てる人で、この事を理解していない人は、勝てない人だからです。

勝てる人は、チャンスが来るまでじっくり待ちます。(待つ場所は、パソコンの前ではありません。)どちらかというと、相場全体を分析して、チャンスが来るタイミングを想定しています。例えば、今日のザラ場はチャンスが来ないと思ったら、パソコンを閉じて、ナイトまでパソコンを開かずに、じっくり待てるのです。

反対に勝てない人は、朝から相場分析をはじめて、今日も頑張るぞーーー!と毎日気合を入れています。チャンスが来そうにない相場でも、パソコンの前から離れません。その結果、ポチポチ病が出てくるのです。

勝利の秘訣ですが、相場は波があります。波に乗らないと勝てません。反対の波が来ても勝てないのです。休むも相場と言いますが、飛び石連休の谷間なんて、勝てる訳ありません。

秘訣6 「心の揺れ(= 心のあり方 )」

毎日確認することですが、自分の心に揺れ(=一定せずに、不安定な状態にあること)を確認します。例えば、「トレードの目的は?」と自分に問います。トレードの目的は、お金を稼ぐことです。でも、心の底では「自分は、相場で儲けたことを自慢したい」と思っていないか、と確認します。

自慢したいというのは、心の揺れです。トレードを始めた10年以上も前は、この気持ちしかなかったです。(笑)

この他に、心が揺れていることを確認する場面があります。

・自己流の売買ルールを作りたくなる。(これは、トレードで大きく稼いだ時です。ルールを甘くしたくなります。) 

・定番の売買ルールを変えたくなって、色々調べ始める。(これは、トレードで負けた時です。)

トレードに勝っても、負けても心は揺れます。意外と日常茶飯事に起きます。

また、体が疲れている時は、心が揺れやすいです。そのため、適度な散歩や睡眠にも気を使っています。

以下、 マーク・ダグラス の「規律とトレーダー」 から引用 です。

あなたがトレーダーとしてレベルアップするにしたがって、トレードとは完全に心のあり方を反映したものであることが分かるだろう。あなたはマーケットに逆行しているのではなく、自分自身に逆行しているのである。

この文章の「心のあり方」 まさに、心の揺れです。

秘訣7 「時間軸を決める」

どの部分を取りたいと思いますか?(下のチャートを参照してください。)

日経255先物 30分足チャート

日経255先物 30分足チャートです。

当然ですが、長い足(週足、日足、5時間足、2時間足、30分足)などは、騙しが少ないですがタイミングが遅くなります。短い足(15分以下の足)は、騙しが増えますが、タイミングを合わせ易いです。

でも、重要なのは、勝率と利幅が一番良いのは、どの足のチャートかということです。上の質問の意図は、「 どの部分を取りたいと思いますか? 」ではなく、「最終的に勝率と利幅が良いのは、どの部分をトレードした場合だと思いますか」です。

答えは、「はっきりトレンドが出た部分で、利幅100円以上を1日2~3回ぐらい取ること」が理想に思えます。

売買するには、相場分析(=相場背景)と売買するタイミングが必要です。よって、相場分析で利用するチャートと売買するタイミングを取るチャートを分けて考えます。

相場分析には、週足、日足も利用します。但し、少し粗い感じがして、最終的には、5時間足、2時間足で相場分析を行っています。5時間足チャートが相場分析には一番使えます。

上は「日経225 CME 5時間足チャート」です。(補足のために、トレンドの方向をピンクと黄緑の線で描きました。)このチャートを見ると、トレンドが明確にわかります。

タイミングを取るのは、30分足チャートです。5分足、3分足チャートを利用していたこともありますが、 5分足、3分足チャート を利用し始めると騙しが多く勝率が著しく落ちます。

ここで、大口投資家のAIの動きの概念をまとめた「ワイコフの相場サイクル」を見てみましょう。

これは、概念図です。でも、30分足チャートに類似しています。

この概念図を思い浮かべながら、売買するように心掛けています。

秘訣8 「負けた後が重要」

負けた時は、金銭を失った以上にメンタルがやられてしまいます。特に負けが続くと辛いです。この気持ちをどのようにコントロールすればいいのか、悩みます。メンタルがやられてしまうと、どうしても負の事(悪い事)しが頭に浮かばなくなります。具体的は、過去に負けた時のことを思い出したりします。

マーク・ダグラス の「規律とトレーダー」 に良い言葉が書かれています。以下引用 です。

成功するトレーダーとなるには、恐怖心を持たないでトレードすることである。恐怖心が行動の範囲と選択肢を狭めることについてはすでに言及したが、心が恐怖心でいっぱいになっている人は回避したいまさにその状況を自分で創造している

では、恐怖心を解消するには、どうしたらいいのでしょうか。勝率が高いトレードルールを作ることが重要だと思います。それに追加して、トレードルール意外に決めておいた方が良さそうなことをまとめる必要があると思います。その結果が、この勝利の秘訣です。この勝利の秘訣の中で最も重要な秘訣が、「負けた後が重要」だと思います。負のイメージを思い出さずに、決して腐ることなく、自分が作り上げたトレードルールに沿ってトレードを続けるように心掛けています。

引用が続きますが、是非、次の引用( マーク・ダグラス の「規律とトレーダー」 から )も読んでください。

自制心のベースとなるのが自己信頼である。自己信頼を高めるには、一定のトレーディングルールやガイドラインを作り、それを迷わずに順守することである。すべきことを迷わずにできるようになると恐怖心はなくなり、客観的にマーケットの行動を観察できるようになる。そうなればマーケットからどのような情報が到来しても、それらを回避することもなくなり、マーケットの次の動きも予想できるようになる。(途中省略)「トレーダーにとって大切なことは、お金を儲けることよりも自分で決めたルールをいつも順守することである。それができないとどれだけ利益を上げても、いずれはそのすべてをマーケットに持っていかれてしまう」

秘訣9 「原因自分論」

「原因自分論」 聞きなれない言葉だと思います。原因自分論とは、自分に起こっている現象はすべて自分が原因である(=自分が努力すれば現象を改善することができる)と考えることです。

どうしても、「投資は自己責任」だから、「負けたのは、自己責任」と言う人が多いのですが、この自己責任という言葉を使う人の多くは、「損失を自分が負えばいいのでしょ」と考えているように見えます。でも、どうしてもその考えに賛同できません。

当然、自分の負けは負けですが、私は、「 損失を自分が負えばいいのでしょ 」という人に対して、「未来につながる負け方をしましたか?」と聞きたくなります。人間だから、失敗をすることはあると思いますし、その代償を負うのは良いことだと思うのですが、「失敗から何を学びました?」と言いたくなるのです。つまり、「(原因を客観的に分析して)今回の失敗から○○○を学んだ」と未来につながる言い方をして欲しいのです。こう考えるようになると、投資の勉強に励むようになると思います。

秘訣10 「待つのが最大の武器」

10年以上も前のことですが、「自分の武器はなんだろう」と考えたことがあります。その頃に偶々、あるセミナーで、証券会社で大口投資家の運用を行っていた人の話を聞くことが出来ました。その講師の方によれば、大口投資家の担当者は2つのことで悩むそうです。1つは、当然ですが、決められた期間内にノルマ(利益)を達成しなければならないことです。もう1つは、証券会社には守らなければならない決まり(法律)があって、それを遵守しながら、売買しなければならないそうです。講師の方は、「一般投資家の方は、この2つの縛りがないことを武器にしないと勿体ない」と説明してくれました。具体的に言うと講師の方曰く、「もし投資で儲けたいなら、ノルマが無いし、細かい決まりがある訳ではないので、相場の悪い時(わかり難い時)は絶対に売買を控えるべき」と教えてくれました。

私の今のトレードルールは、5時足、2時間足を分析して30分足でタイミングを取る方法です。確かにこのルールは待ちます。最近は慣れてきましたが、はじめはインターバルタイマーで30分毎に音が鳴るようにして待った覚えがあります。今でも場合によっては、2日間ぐらい売買の機会が無いこともあります。でも、勝率が高いので私の定番です。

この待つということは、自分が相場に合わせて適応する手段だと思っています。

以下、マーク・ダグラス の「規律とトレーダー」 から引用です。

最初にすべきことは、トレードの視点や考え方を大きく変えることである。これまであなたの視点はお金を儲けることにあったと思う。そうであれば、今からその視点を「トレードで成功するには何を学ぶべきか」「どのようにしてマーケットに自分を適応したらよいのか」に変えなければならない。

秘訣11 「ストレスに対する心構え」

トレードをしているとストレスを感じることがあります。このストレスに対する心構えをあらかじめ考えておくことが重要だと思っています。ストレスを感じた時にこの心構えを思い出すようにしています。

まず、ストレスを感じる場面ですが、負けた時よりも「勝てるはずだったのに勝てなかったケース」の方がストレスを感じます。「あの時、手仕舞っておけば、儲かったはずだ」というケースです。どうしても、記憶に残ってしまいます。

この記憶に残った時に起きることですが、怒りみたいなものを感じ、いつもの定番のルールから逸脱したトレードを行いたくなります。定番でも負けることがあるのに、思い付きで作ったルールで勝てる訳がありません。

どうして、このように短絡的な考えに至るのでしょうか。その根本にあるのは、「今日の負けは今日取り返してやる」と考えるからです。トレードのチャンスは1日に多くて2,3回、場合によっては2日間ぐらい回って来ない場合もあります。負けた直後にチャンスが回って来ることは非常に少ないです。自分では冷静な判断をしているつもりでも、トレードの観点から考えると異常なことを考えています。

では、トレードを行った結果、ストレスを感じる時は、どのように対応すればいいのでしょうか。

負けは取り戻さなければならないのですが、その機会はすぐ(当日)来ることはないと考えることです。ましてや負けた後に取り戻すことはできないと考えることです。

トレードで勝てるチャンスの頻度は、過去を分析すればわかります。その機会に取り戻すしかないのです。そう考えると、負けて、ストレスを感じている時は、この「ストレスに対する心構え」を思い出し、パソコンの前から離れるようにしています。どうせ、すぐには取り戻すチャンスは回って来ませんから。

以下、マーク・ダグラス の「規律とトレーダー」 から引用です。

トレード結果とはそのときの自分という存在を反映したものであるということを受け入れると、自分の学ぶべきこともよく見えてくる。

秘訣12  「負けを取り戻す」から「次の定番で勝つ」に

私はトレードに関して、明らかに他の人と違う点があります。それは、自分でバックテストをしていること。例えば、このルールで売買したら、過去数年はどういう成績だったかと過去の振り返りを自分で行っている点です。どうしてもプログラムを開発する癖が出てしまい、自分の考えたプログラム(=売買ルール)が、どのような結果になるのかを確認してしまいます。

面倒な作業ですが、利点もあります。それは、売買ルールに関する統計データが頭に残ることです。今私が使っている売買ルールの統計データは、以下のようになります。

・1カ月に売買する回数:約20回
・1回当たりの利幅  :約150円
・数年間のデータを分析すると売買回数も利幅も正規分布しない

 ※つまり、平均値を取ることにあまり意味がありません。

さて、このデータが頭にインプットされていると、どうなるか。

朝起きると、皆「今日も1日頑張るぞ!」って気持ちになりますね。私もそうなりますが、同時に「トレードに関しては、頑張るのやめよう」と思っています。私の売買ルールは、午前10時前後まで様子を見ていて、それ以降、定番が出たら仕掛けるという待ち伏せ型のトレードです。統計的に意味がないデータですが、1日の売買は、0から2回だと思っています。(3回売買する事はあまりありません)

では、他のトレーダーは、どうでしょう。頑張るぞ=売買する事だと考えている人が多いようです。朝から頑張るという気持ちに反対はしませんが、朝の難しい相場から売買して負けている人が多いようです。折角、定番があるにも拘らず、待ちきれずに売買してしまうようです。

負けた後の対応も違います。
私は、定番の回数は、自分が負けたからといって、増えたりしないと考えています。よって、負けた後、すぐに定番が回ってくることは絶対に無いと思っています。1回でも負けてしまったら、その日は、パソコンを閉じてクールダウンした方が最終的に儲かると考えています。仮にその後、定番が回ってきて、逃すことになるかもしれませんが、その回数は多くて1回だと思っています。

では、他のトレーダーは、どうでしょう。負けた後、すぐに負けを取り戻そうと思って売買する人が多いようです。偶にですが、「今日の負けは今日取り戻す」と思って意気込んでいる人がいます。こういう人を見る度に、「この後、定番が来なかったら、また負けることになるのに」と思っています。

バックテストのお陰ですが、私は「負けを取り戻す」から「次の定番で確実に勝つ」という発想に変わりました。

秘訣13「いじめっ子は勝てません」

いじめっ子の行動を簡単に分析します。

あいつのことが”嫌い”だから、嫌いになる理由を探します。
でも、これおかしいです。
本来なら、”嫌いになる理由”を探すより、”自分があいつのことを嫌いになった理由”を探すべきです。

箇条書きにすると

①(明確な理由はないけど) あいつのこと嫌い
②(嫌いになる理由の)情報収集 
③ある程度情報が集まったら、数を数える
④情報の数に納得
 
実は勝てない人は、非常に似たような思考をします。

(仮に)上昇相場になると判断した時に、その理由(根拠)を探すのではなく、後付けの状況証拠的な理由を探すのに注力するのです。

これを箇条書きにすると

①(適当な相場分析で仮に)上昇相場になると判断
②上昇相場になる理由の収集を開始
 情報過多(ニュースや新聞、ネットから)の世の中なので、都合の良い情報収集が沢山集まる
③これだけ情報が集まったから、やっぱり上昇相場だ
 情報の量に納得
④最後は短期足(3分、5分足)、これが致命的
 「ほら、5分足が上昇したから・・・」と売買開始

先入観(ある物事に対してあらかじめ抱いている見解やイメージで、自由な発想を妨げるもの)という言葉がありますが、勝てない人は、相場分析を先入観というより、完全に「思い込み」で判断しています。

どうすべきか。

「相場分析した理由を外部の媒体(状況証拠)に求めず追求する」発想が必要です。

よって、私は相場分析は、チャートだけしか使いません。
理由は後付けの状況証拠を排除したいからです。

この方法で分析しないと勝てる気がしません。

時々、相場が分析できない時があります。
どうしても、結論が出ない時です。
そのような時は、トレードはお休みします。

秘訣14 常識を捨てろ 第一弾「日経平均株価」

常識を捨てろ、第一弾のテーマは「日経平均株価」です。
テレビやネット、本でもよく出てくる言葉です。
多くの方は日経平均株価が日本の株価を適切に表す指標と理解されているようですが、そんなことはありません。日経平均株価は、あくまで日本経済新聞社が選んだ225社の株価の平均値です。(ここでは、詳細な計算方法は、省略させて頂きます。)

テレビなどで取り上げられることが多いので勘違いされている方が多いようです。

日経平均株価に関する指標で興味深いものがあります。
「日経平均株価に対する寄与度」です。
寄与度(contribution ratio)とは統計用語で、データの全情報の中で各要素のもつ情報が占める割合のことです。

今日の日経平均株価の寄与度を調べてみます。(”日経平均寄与度ランキング”で検索できます)
本日(2022年6月16日)は、ファーストリテイリング(55.5%)、TDK(10.5%)、ダイキン(10.3%)、トヨタ(10.1%)です。この4社で、86.4%です。

日経平均株価は本日終値は、26,431円、前日比+105円です。
マイナス寄与度などもありますが、今日の+105円の86.4%(90.7円)は、この4社の株価の影響です。

「日経平均寄与度御三家」という言葉があり、ファーストリテイリングなど数社がいつも御三家です。簡単に言うと日経平均株価はこの御三家の株価に大きく影響されます。

では、日本の株価の指標として日経平均株価より相応しいものは無いかというと、TOPIX(東証株価指数)があります。日銀によるETFの買い入れの判断は、TOPIXで行われています。

秘訣15 常識を捨てろ 第二弾「リスクを取れ」

常識を捨てろ、第二弾のテーマは「リスクを取れ」です。

ニュースなどで特殊詐欺の話などを聞くことが多いご時世です。「リスクを取ることは良いことだ」と言うと、きっと誤解されると思います。でも、敢えて言いますが、「リスクを取ることは良いこと」です。

時々出会うのですが、「リスク=お金を失う事」と考えている人がいます。こういう方は、1円も失わずに生活することを考えているようです。では、東京から大阪までお金が掛かるからと言って歩いていく人はいますか。もっと、遠い所、例えば沖縄まで、歩いて行くことができますか?

リスクを取るのが苦手な人は、お金と時間を交換していることに気付いていないのです。

反対にリスクを取るのが上手な人にも出会います。「自分はこういうスキルを身に付けたいので、いくらまでなら投資します。」というタイプです。こういう人は勉強熱心でもあります。投資した金額以上のものを得ようと考えているのだと思います。正にお金で時間を買うのが上手なタイプです。

もっと分かり易く、ゴルフに例えてみます。

①リスクを取るのが苦手なタイプ
 ゴルフクラブを買って、素振りをすることで、上達しようとする
②リスクを取るのが上手いタイプ
 費用を考えて、練習場で練習して、上達しようとする
③リスクを全く考えないタイプ
 練習せずにコースに行く

①のタイプは、時間が掛かるだけで、上手くならないです。
③のタイプは、上手くならない上に、お金を失います。

リスクは、投資した金額以上に得るものがあると思うなら、金額を限定して、その金額が自分が受入れることができる金額なら、取るべきです。